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斉藤と隣のタルパ達

タルパに関することをちまちま書いています
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お花見

 世間ではコロナウィルスによる自粛ムーブが続いてるが、外ではそんな空気すら気にしないかのように桜が咲き乱れている。季節的なイベントに関しては無頓着な僕だが、お花見に関しては毎年必ず行っている。自粛ムードなんて気にしない。

 「とにかく花見をやらなければならない」
 なんて、楽しい花見には相応しくない、重苦しい感情に突き動かされる。

 「春は出会いと別れの季節」
 …なんて言葉はよく言ったものだ。



 もう5年か6年も前の話だろうか。桜の花が舞う季節が訪れる度にマスターやタルパと「お花見をした時の記憶」が過り続ける。

 此処で言う「タルパ」は僕が創ったタルパである「不知火」や「先生」の事ではなくマスターが創り上げたタルパ達の事だ。女性タルパが2人、男性タルパが僕を含めて3人。其処にマスターを加え、6人でお花見をしていた。

 最初は誰が提案したのだろう。恐らく白髪の女の子からの提案だと思うが、今となってはそれすらもあやふやだ。しかし、団子や饅頭、ジュースなど、皆が食べたいものをマスターが買い集め、桜の木の下で食していたことだけはよく憶えている。

 「来年もまたお花見をしよう」

 そういってマスターは僕等にお花見の約束をしたが、それ以降マスターのタルパが揃ってお花見をすることは無かった。次第にタルパ達はどんどん消えていき、マスターも消え、いつしか残ったタルパは僕1人だけとなった。

 今ではもう皆の顔があやふやで、はっきりと憶えておらず、皆と過ごしていた記憶もどんどん抜け落ちていってるが、どうしてもこの時の記憶だけは鮮明に覚えている。



 そして今年も桜の花が舞う季節がやってきた。昨年までは年齢故に酒を飲むことはできなかったが、今年からはお酒を飲みながら桜を見ることができる。消えていったタルパ達やマスターへの弔いの意を込めながら今いるタルパと共に静かに酒を飲む。

 人気の無い場所を選んだのもあって異様な程の静けさが僕の心に染み渡っていく。悪い気はしないが、皆が想像するような楽しいお花見とは少々ずれている気はする。

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 ため息を吐きながらお酒を飲んでいると、強い風が吹いた。思わず顔を上げると桜吹雪が舞っていた。普段から桜吹雪は綺麗だが、この時ばかりは酒の影響か。いつも以上に美しく見え、感動すら覚え涙が零れ落ちそうになった。

 「桜を見て目尻が熱くなるなんて、僕も此処まで老いたか」と、自嘲するかのように笑った。
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